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人命を最優先するからこそ

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「人質は盾にはならない」ということをテロリストに思い知らせることが何よりも重要です。それが一番の人命最優先策のような気がします。

人質をとってどこかに立てこもったら、たちまち、特殊部隊に突入されて自分達の命は無い、ということが確実であれば、そんな無意味なことを行なう選択肢は次第に縮小していきます。

逆に、「地球より重い人質の人命は絶対に救う」、だから、テロリストとは交渉する、場合によっては、要求を飲む、という方針の国家があったら、そんな国家はテロリストには、とても魅力的に見えるでしょう。

不謹慎で大変恐縮ですが、あなたがテロリストで資金が必要だとしましょう。そこで人質をとって身代金を要求するプランを練ると仮定します。

その場合、テロリストとは一切、交渉せず、すぐに特殊部隊を突入させ、テロリストを皆殺しにする方針の国家をA国としましょう。
一方、「人質の死者は一人も出さず、絶対、全員救出する」ということを至上目標としてテロリストとも交渉する国家をB国としましょう。

テロリストのあなたは、A国とB国のどっちの国家でテロを決行したくなりますか?

日本では毎日、「人命最優先すべき」というメッセージが世界に向けて発信されています。しかし、私には、そうしたメッセージは、「こっちのみ~ずはあ~まいぞ(こっちの水は甘いぞ)」とテロリストを日本に誘っているようにしか聞こえません。

あるいは「日本人の人質なら高く売れる」とテロリストに宣伝しているようにしか聞こえません。ですから、毎日、そうした発言に恐怖を感じています。

テロリストを魅了する国家が人命最優先の国家と言えるでしょうか。テロリストを皆殺しにして、テロの再発防止策、テロ撲滅を一歩でも前進させる苦渋の決断をする国家こそが人命最優先の国家ではないでしょうか。

犬が好物を求めて無駄吠えする場合、その無駄吠えを止めたくて好物を与えては、それは無駄吠えに対する報酬になってしまいます。犬は味をしめて無駄吠えは直りません。

犬の無駄吠えを直したければ、絶対に報酬を与えず、罰を与えて厳しく叱ることのみです。悪事に報酬を与えることは禁物なのです。

繰り返しになりますが、日本政府が「人命最優先でテロリストと交渉すべきだった」という考えを世界に発信すればするほど、それだけ、「日本政府を相手に人質で脅せば報酬を得られそう」という期待をテロリストに与えることになります。

皮肉な話ですが、つまり、「人命最優先」と叫べば叫ぶほど、それだけ、逆に日本国民全員の人命を危険にさらしているのです。それが「小さい絵」だけを見て「大きな絵」を見ない、平和ボケ国家日本の常識なのでしょうけれど。

政治家は、世界に向けて発言するときは、こうした視点にも配慮して欲しいと感じます。

by robocop307 | 2013-01-23 08:33 | 意見表明  

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