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あるFacebookより転載

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【赤ちゃんチワワ (出典:こちらのサイトより引用) 】

写真は我が家に息子がやってきた日のことをありありと思い出させてくれるので、こちらの【サイト】から引用させていただきました。

尚、以下の青字部分の文章は、承諾を得て、あるFacebookより転載させていただいたものです。

題:チロ日記

大切な家族が旅立ちました。明日はお葬式。私事です。ただの長い思い出話。

昔々、まだ私が子供だった頃の春の日だった。卒業間近だった私に母から電話がかかってきた。「犬飼っていい?」それは、段ボール入りの子犬を拾った小学生のようなセリフ。

但し、そうして実際に我が家にやってきたのは、捨て犬ではなかった。当時やっていたアイ○ルのCMに出ていた、きゅんきゅんの白チワワ(確か「くぅちゃん」とかいったか。)にそっくりだった。そんな「くぅちゃん」にそっくりの姿で我が家にやって来た子犬がチロだった。

当時は小さくて、白かったので、私が名付けたチロ。それまでは、インコやハムスターのような小動物しか飼ったことのない私だった。そんな私にとって、小さいながらも特にここまで賢い生物は初めてだった。そんな未知の生物に、人見知りの私は緊張した。

もし、自分の可愛がり方が間違えば、彼の性格に悪影響を与えるのでは、と彼への接し方にはひどく気を使った。最初は遠目から眺めて、時々、恐々、指先でツンツンとつつく程度しかできなかった。しかし、彼自身は全く臆せず、すぐにちゃっかりと我が家の一員になっていた。いつのまにか、私の「おとうと」だった。

「忠犬」のイメージとは真逆で、あまりにふてぶてしく偏屈な性格だった。まさしく我が家の人間達の血筋をそのまま引いているようだった。犬らしくないその偏屈さが、かえって可愛かった。

偏屈な彼は、滅多に尻尾なんて振らなかった。人間に媚びたりせず、いつもマイペース。呼んでも気が向かなければ来ない。気が強く、機嫌が悪いときに撫でるとグルルルとよく怒った。けれど、私が朝起きて洗面所に行く途中に彼の姿を見つけて「チロ君、おはよー!」と両手を広げれは、飛んできて「撫でろ!」と要求した。

私がテレビを見ていると、ちょっと私から離れたところで仰向けになってお腹を出す。そして、「バフッ、バフッ!」と鳴いて、「ここまで撫でに来い!」と要求した。

私がお菓子なんかを食べようとして、包装紙をカシャカシャっと音をたてようもんなら、彼は弾丸のように飛んできた。そんなこんなで、いつのまにか、彼は私の「おとうと」、いや、「いぬうと」として可愛がられた。

しつけなんて何のその、人のお菓子や夕御飯を分けてもらってはブクブクと太っていった。そのため、後ろ姿が、まるでパグと間違われるほどだった。チロという名前の由来だったのに、全く、小さく白くはなくなっていた。キュンキュンではなく、よく、ブフブフ、と鳴いていた。

彼と家族旅行にも何度も行った。「わんわんパラダイス」という愛犬と泊まれるホテルにもよく行った。食堂は愛犬と同席できるシステムだった。私達人間と彼とが一緒のテーブルで夕食、朝食を食べたものだ。ホームビデオの中心はいつも彼だった。

私が自立して実家を出たあと、当然、彼はそのことを何も知らない。だから、最初のうちは私が毎晩、帰宅するものと思って、いつも玄関で私を待っていたそうだ。いつしか彼は、私が家を出たのだと学習し、私を玄関で待つことはなくなったとのこと。

それでも、私がたまに実家に泊まりに行けば、私が部屋にいることを確かめたいらしい。真夜中に私の部屋のドアを外から爪で引っ掻いてカリカリと音をたてるのだ。私を呼んでいるのだろう。私は眠い目をこすりながらドアから顔を出す。真ん丸の目で私をじっと見上げていたチロ君。

私が実家を出てからこの二年半で、彼はみるみる年を取った。昔は廊下を爪を鳴らしてチャッチャッチャッと走りまわっていたチロ。しかし、今は、転倒しないように両親が敷いた滑り止めマットの上をヨロヨロと歩くようになった。大好きだった昼寝クッションと床とのたった数センチの段差でつまづいたりもする。

昔は宅配の人など誰かが玄関チャイムを鳴らすと敵意むき出しにして猛烈に吠えたチロ。しかし、今は玄関チャイムにもすっかり無反応になった。昔は獣医さんにさんざん痩せさせろと言われていた体も最近はすっかり細くなった。パグと言うよりは、まるでチワワみたいになってしまった。

晩年、寝てばかりいる時間が多くなったチロ君。その寝顔と、永眠した彼の顔は、ほとんど変わらなかった。人間のおとうとなら、彼が中学生になるまで成長を見守ってきたことになる。

それなのに、明日から突然いなくなってしまうなんて。みんなで泣いた。最後まで両親の手厚い介護と、大好きなシュークリームとカステラをもらいまくって、幸せそうだった。だから、悲しくはないけど、寂しくて、泣いた。ありがとね、チロ! 楽しかったよ、チロ! 大好きだよ!

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by robocop307 | 2017-06-16 16:53 | つぶやき  

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