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自然界の放射能

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千葉県柏市の女性の母乳から放射性ヨウ素が検出されたとの報道がありました。検出量が一番高かった女性で1キログラム当たり36.3ベクレルとのことです。しかし、いつものように、こんな数値を聞いてもピンときません。

こうした報道を聞いたとき、私たちをパニックに誘い込む一番大きな要因は、私たちが前提として思い込んでいる「普段食べている食品内の放射能量はゼロである」という誤解です。

原発事故などとは無縁の安全で自然な日常生活でも、私たちは常時、微量の放射線で被曝しています。

宇宙からの宇宙線を始めとして、大気中のラドン、食品内の放射性カリウムなど、極めて微量ですが、常時、被曝しているのです。

放射能汚染などとは無縁で全く安全な天然バナナ1本が持っている放射能は、約20ベクレルとのことです。自然食品の放射能の基準値として、「バナナ等価線量」などという言葉まであるらしいです。

ところで、この天然バナナ1本は約150グラムなので、1キログラム当たりの放射能量に換算すると、約133.3ベクレル / kgということになります。

そこで、千葉県柏市で検出された母乳の1キログラム当たりの最大放射能量をバナナのこの自然放射能量を目安として比較すると、どのくらい危険なのか、少しは感覚がつかめます。

 ◆バナナの自然放射能量:    133.3ベクレル / kg
 ◆母乳から検出された放射能量: 36.3ベクレル / kg

こうした比較により、「微量の放射能が検出された」と報道されている理由が分かります。「将来、増大するかもしれない」という危険性を注視する必要はあるものの、現時点では、天然バナナより安全と考えてもよさそうです。

だからといって油断すべきではありませんが、原発事故の前から、私たちの日常生活は元々、微量の放射能に取り囲まれていたことを知っておくことも大切です。

但し、バナナは自然食品の中でも、含まれている放射性カリウムが突出して多いことも忘れないほうがいいかもしれません。

by robocop307 | 2011-04-21 23:08  

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