風評は庶民の正当防衛
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風評被害により生活の基盤を根こそぎ失いかけている被災地の農業、漁業、酪農業の方々には、心よりお見舞い申し上げます。
日本全体を苦しめている風評被害なのですが、一方、風評は庶民の正当防衛のような側面もあるように感じています。
ですから、無知や誤解から生じるという理由で、「風評被害は、本来あってはならない」という発想は、実は誤りであると思っています。
生物は本能として、「不確か」なものを恐れるのです。生命を守るための正当なメカニズムなのです。暗闇で柳を幽霊に見間違えて、驚いて逃げるのが自然なのです。
幽霊でないかどうか、冷静に科学的に、よ~~~く分析して、幽霊と断定してから驚く、という手順を本能は取りません。「怪しいものは、取り合えず危険なものとして扱う」のです。
つまり、「取り合えず、グレーを黒とみなす」ことが危険回避のための庶民の本能なのです。これが風評被害の実態です。
帰宅の夜道を一人で歩いているとき、背後から怪しい足音が聞こえた場合、安全と確認できないなら(グレーなら)、走って逃げる(黒として扱う)のが正しい危険回避策です。
危機管理の鉄則は「最悪の事態に備える」ことだ、とよく言われます。庶民が個人個人で、この原則を取っている現象が風評被害とも言えます。
りんご1000個ずつのかたまりがそれぞれ左側と右側に積まれていたとします。左右で合計2000個のりんごが無料で配布されているとします。
但し、左側の1000個のりんごには、1個だけ農薬が残っていることが分かっているとします。残りの999個は絶対、安全であることが保証されています。
一方、右側の1000個は全て安全であることが保証されているとします。必ず1個のりんごを取って食べる義務があるとします。このような状況の場合、あなたなら、左側のりんごを取りますか?それとも右側のりんごを取りますか?
「左側のりんごでも999個は安全なのだから」という理由で、左側のりんごを食べる人はいないでしょう。
これがモデル化された風評被害であり、非難されるべき行動ではなく、庶民の危機管理であり、正当防衛であるともいえます。
しかし、風評被害を極小にすることに責任を持っている人々がいます。それは、政府、行政、報道機関など、情報を発表する人たちです。これらの人たちが、分かりにくく、グレーの範囲を大きく伝えれば、風評被害の規模が大きくなります。
逆に、分かりやすく、グレーの範囲を小さく伝えれば、風評被害の規模を小さくできます。農薬が残っているのは、「りんご1000個の中に1個だけ」ではなく、「これらのりんご10個の中に1個だけ」と報道されれば、残り990個のりんごは安心して食べられるからです。
つまり、風評は庶民の危機管理、正当防衛ですが、分かりやすい情報発信を行えば、グレーの範囲を小さくでき、風評被害を極小に押さえ込めるのです。
結局、風評被害を拡大している真犯人は、分かりにくい情報発信をしている人々なのです。震災の被害のうち、風評被害部分だけに関しては、直接的な損害賠償責任を持つ人々と言えるかもしれません。
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日本全体を苦しめている風評被害なのですが、一方、風評は庶民の正当防衛のような側面もあるように感じています。
ですから、無知や誤解から生じるという理由で、「風評被害は、本来あってはならない」という発想は、実は誤りであると思っています。
生物は本能として、「不確か」なものを恐れるのです。生命を守るための正当なメカニズムなのです。暗闇で柳を幽霊に見間違えて、驚いて逃げるのが自然なのです。
幽霊でないかどうか、冷静に科学的に、よ~~~く分析して、幽霊と断定してから驚く、という手順を本能は取りません。「怪しいものは、取り合えず危険なものとして扱う」のです。
つまり、「取り合えず、グレーを黒とみなす」ことが危険回避のための庶民の本能なのです。これが風評被害の実態です。
帰宅の夜道を一人で歩いているとき、背後から怪しい足音が聞こえた場合、安全と確認できないなら(グレーなら)、走って逃げる(黒として扱う)のが正しい危険回避策です。
危機管理の鉄則は「最悪の事態に備える」ことだ、とよく言われます。庶民が個人個人で、この原則を取っている現象が風評被害とも言えます。
りんご1000個ずつのかたまりがそれぞれ左側と右側に積まれていたとします。左右で合計2000個のりんごが無料で配布されているとします。
但し、左側の1000個のりんごには、1個だけ農薬が残っていることが分かっているとします。残りの999個は絶対、安全であることが保証されています。
一方、右側の1000個は全て安全であることが保証されているとします。必ず1個のりんごを取って食べる義務があるとします。このような状況の場合、あなたなら、左側のりんごを取りますか?それとも右側のりんごを取りますか?
「左側のりんごでも999個は安全なのだから」という理由で、左側のりんごを食べる人はいないでしょう。
これがモデル化された風評被害であり、非難されるべき行動ではなく、庶民の危機管理であり、正当防衛であるともいえます。
しかし、風評被害を極小にすることに責任を持っている人々がいます。それは、政府、行政、報道機関など、情報を発表する人たちです。これらの人たちが、分かりにくく、グレーの範囲を大きく伝えれば、風評被害の規模が大きくなります。
逆に、分かりやすく、グレーの範囲を小さく伝えれば、風評被害の規模を小さくできます。農薬が残っているのは、「りんご1000個の中に1個だけ」ではなく、「これらのりんご10個の中に1個だけ」と報道されれば、残り990個のりんごは安心して食べられるからです。
つまり、風評は庶民の危機管理、正当防衛ですが、分かりやすい情報発信を行えば、グレーの範囲を小さくでき、風評被害を極小に押さえ込めるのです。
結局、風評被害を拡大している真犯人は、分かりにくい情報発信をしている人々なのです。震災の被害のうち、風評被害部分だけに関しては、直接的な損害賠償責任を持つ人々と言えるかもしれません。
by robocop307 | 2011-04-26 20:15