なぜメールが誤解されるのか
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あなたの意図がメールで相手に伝わらないのは、メール文の中に「多義表現」が含まれているせいかもしれません。
世間では「多義表現」という言葉を知らない人がほとんどかと思います。一つの表現に複数の意味がある表現を指します。
上の図は有名な「ルビンの壷」と呼ばれている多義図です。見方によって、中央の「白い壷」にも見えますし、両側の向かい合った「二つの黒い顔」にも見えます。
つまり、一つの図が二つの解釈に見える例です。この多義図の言語版が「多義表現」なのです。
多義表現の例:
「月曜と木曜以外なら大丈夫だよ」
「絶対、日本に勝って欲しい」
「佐藤さんと鈴木さんの息子に会ったよ」
あなたはこれらの表現が、それぞれ異なる別の意味を含んでいることに気づけますか?
一番最後の「佐藤さんと・・・」の表現に関しては私は4つの異なる意味を見つけました。仮にそれら4つを意味A、意味B、意味C、意味Dとしましょう。
ある人が意味Aを伝えたくて、この多義表現をメールに書いたとしましょう。問題は、多義表現を使ってしまう人には、自分の頭で思いついた表現が多義表現であるとの自覚を持てないことです。
つまり、意味Aを伝えたくて、多義表現を使ってしまう人には、その多義表現の中に意味C~意味Dのような別の意味が含まれていることを決して自覚できません。
多義表現をメールの中に書いてしまった人が、そのメールを何度読み返しても、自分の意図したいことがちゃんと表現されているように見えてしまいます。
しかし、実際に多義表現が含まれてしまったメールを読んだ人は、上記の例なら、書き手の意図の意味Aではなく、別の意味Cと解釈してしまうかもしれません。日常的には、日々、頻繁に発生している現象です。
しかし、「多義表現」という概念を知らない人には、自分が書いたメールは、「自分の意図をちゃんと明確に表現している」ように見えます。ですから、相手が別の意味に解釈していたりすると、相手を責めて怒ってしまうことがあります。
多義表現という概念を知らないため、相手の誤解は相手のミスである、と考えるわけです。自分はちゃんと正しく伝えているから、自分に不手際、落ち度は無い、との世界だけを見ているからです。
ちょうど、上の図の中央の「白い壷」だけを見て、両側の「二つの黒い顔」が見えていない状態に似ています。
文章で自分の意図がうまく伝わらなかったときには、うっかり多義表現がまぎれこんでいる可能性も検討してみることをお勧め致します。
もちろん、メールが誤解される原因は、多義表現だけではなく他にも色々あります。私の文章術セミナーでは、多義表現以外にも、文章で起こる様々な誤解の原因と回避策を紹介しています。
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by robocop307 | 2013-11-09 15:56 | メルマガ過去ログ