猫からの贈り物 (朝日新聞から)
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上の写真は本文とは無関係です。
今日(2014年1月3日)の朝日新聞の朝刊(16頁目の生活面)に、読者からの投稿文が掲載されていました。情景がしみじみと目に浮かびました。以下の青字部分です。
題:猫の贈り物を忘れない
ひととき
うちには3人の子がいる。看護師やホテル勤務なので、正月にも一堂には集まらない。この前そろったのはいつ?何のとき?とまず最初に確認するほど、2、3年ぶりの再会はざら。みな東京在住なのに。
年末、20年余り共に暮らした猫が逝った。次男が中学生のころ、夏まつりの夜に拾ってきた子。最後の数日はお水だけ飲んでいた。可愛がってくれた私の友人が会いに来た。子供たちも駆けつけた。
長女が来ると最後の力を振り絞り、お帰り、と玄関で迎えた。最も疎遠気味だった長男に最後の水を飲ませてもらうと、びっくりするほどきれいな目を見開き、さよならをして逝った。
その夜、お気に入りのカーゴにまーるくなって眠りについた子を囲み、夫と私、子どもの5人がそれぞれ思い出を語り合った。悲しくも楽しい時間だった。
この子の20年間は、我が家の歴史だ。子どもらの青春、結婚、夫の脳内出血と車いす生活。みーんな見てきた子との別れに、山ほどの涙と別れの言葉を浴びせた。
このお正月もそろわない家族。あの一夜は、あの子からの最後の贈り物だった。可愛かったよ。いい子だったよ。忘れないよ。
投稿者:東京都清瀬市 吉田幸子(主婦 72歳)
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by robocop307 | 2014-01-03 13:56 | ご報告