滑稽な誤解
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世間には、滑稽な誤解をする人が多いようです。
例えば、ハム、ソーセージ、ベーコンなどの加工肉を1日に50グラム常食すると、大腸癌を発症する率が18%増加するというWHOの発表がありました。
この発表を「1日50グラムの加工肉を常食する人の100人のうち、18人に大腸癌が発症する可能性がある」と誤解している人もいるようです。笑い話ではありません。過剰な単純化による誤解です。
日本人男性10万人のうち、大腸癌の発症率は116人程度です。加工肉を1日50グラム常食する日本人男性の場合、この確率が18%増加するわけです。
つまり、大腸癌発症の元々の確率が0.116%です。加工肉を1日50グラム常食する人に限定すれば、平均値と比較して、その確率が0.137%に増加する、という意味です。確率の増分は、0.021%程度です。
加工肉50グラムの常食の発癌率が18%であると単純に誤解している人は、850倍以上の勘違いをしているわけです。
ご参考までに、大腸癌に限った話ですが、喫煙が発癌率を高める増分は約40%です。加工肉の18%より深刻です。
したがって、今回のWHOの発表で加工肉を心配している方が、もし喫煙者なら、加工肉を心配するより喫煙を心配するほうが先ではないでしょうか。基本的には個人の価値観に委ねられる問題ではありますが。
ところで、ここで紹介した加工肉に関する誤解以外にも、世間では、以下のような同種の滑稽な誤解が数多く溢れているのはご存じの通りです。全て過剰な単純化による誤解です。
◆肉食が不健康で、野菜が健康食。
◆痩せるためには、摂取する総カロリー量を落とせばいい。
◆総コレステロール値が高いのは不健康。
◆プリン体含有量の少ないビールを飲んでいれば、痛風の心配はない。
◆卵を食べすぎると、コレステロールの取り過ぎになる。
◆味が濃くないと美味しくない。味が薄いと物足りない。
◆蕎麦は低カロリー食でヘルシー。
などなど・・・
Ignorance is bliss.
by robocop307 | 2015-11-29 09:33 | 健康オタク