日本のドラマを一つ勧めるとしたら
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玉石混交であることも確かですが、韓国は間違いなく高品質人気ドラマの輸出大国です。そんな韓国に、私が日本のドラマを一つだけ逆輸出して紹介、自慢できるとしたら、本日時点では、やっぱりTBSの『逃げ恥』でしょう。
実は昨年、録り貯めたものを今頃、見ているのです。昨年見たのは第6回目辺りまででしょうか。
まだ最終回は見ていません。凄く楽しみな最終回の一つ前までで視聴を止めました。
何かの番組で、この逃げ恥がブームになった社会的背景を解説していました。統計では、現在、日本人の20歳代で、男性の約70%、女性の約60%が恋愛をしていないそうなのです。
面倒くさくて疲れる恋愛を省略して、いきなり結婚に到達したい、という願望もあるそうな。そうした若者の共感とマッチングしたとか。いちおう説得力あるなー、などと感じました。
恋愛素人ですが、私なりの分析もあります。それは理系男子の恋愛不器用が極めて巧みに描かれているのでは?「面倒くさくて恋愛を省略」などと言うと、自分の意志で「恋愛しない」みたいなカッコイイ響きがあります。
しかし、実態はそんなカッコイイものではなく、恋愛したくても「恋愛できない」という男子がほとんどなのでは? 自分の意志の"I don't ..."ではなく、能力欠如の"I can't ..."が実態だと推測します。
私も理系男子だったので分かるのですが、自分の専門分野に関しては熱く語れます。しかし、女性を前にすると緊張して、自然な楽しい会話で盛り上げることができません。ぎこちない会話の後、平匡さん同様、後悔の嵐なのです。
イケメンは、いつも自分に群がる女性を上から目線で「オマエ」などと呼ぶことができます。そうしたイケメン連中を私はずっと恨んできました。
女性とは、ビクビクと腫れ物に触るようにしか会話できない自分とあまりに違うからです。人生に一度もモテ期がなかった自分と比べるとあまりに不公平だからです。
ですから、私同様、腫れ物に触るようにしか女性と会話できない平匡さんに、「あっ、自分だ!」と、とても共感していました。
特に私自身がITエンジニア出身でした。それだけに、平匡さんがよく使う「システムの再構築が必要だ!」などという発想に、まさに「自分だ!」と繰り返し共感していたのです。
理系に限らず、多くの恋愛難民男性が自称「プロの独身」の平匡さんに共感したのでしょう。平匡さん同様、「自尊感情が低い男子」は、私を含め大勢いるはずです。いや、多数派なのだと思います。
恋愛難民男性は、自分の人生は、恋愛などとは全く無縁だと決めつけています。そうした多くの恋愛難民男性が、新垣結衣さん演じる「みくり」との偽装新婚生活に夢見心地だったのではないでしょうか。
テレビ画面の中で、「自分」に夢のようなことが起こっている!これが男性側の高視聴率の背景ではないでしょうか。
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by robocop307 | 2017-02-06 18:39 | テレビ、映画評論