英国版「タラレバ娘」
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さきほど、四半世紀(?)ぶりに再生して見ていました。もちろん、大昔に見た映画で、気に入ったからDVDを買ったのでした。
しばらく見ていて、私は思わず叫びました。「英国版タラレバ娘だ!」と。
私の理解では、英国と日本では、それこそ対極にあるくらいお互いに異次元の世界です。全ての価値観が真逆な世界くらいに思っていました。
しかし、結婚を焦る女性心理がユーモラスに描かれている点では、まさに古今東西の普遍的テーマなのですね。
ストーリーは殆ど忘れていたので、初めて見る映画のように楽しめました。スマホもラインもない、まさしく過去の世界なのですが、人生の悲喜劇という点では全く古くありませんでした。
実は舞台になっていた英国とは、私は縁があるので、その点でもなぜか懐かしい思いで見ました。
私が社会人3年生の頃で市ヶ谷に勤務していたとき、異動先の部署での直属の上司が若い英国人だったのです。本当は私のチューターかメンターという役割だったのでしょう。
しかし、チューター的な世話役の雰囲気は全くありませんでした。毎日、"Please handle!(処理しろ!)"と書かれたポストイットが貼られた仕事をどんどん私に投げつけてくる明らかな上司でした。
正確には覚えていませんが、その上司も、まだ20代の若造だったはずです。オックスフォードだったかケンブリッジだったかの銀時計組とかで幹部候補の超エリートでした。
さらに、映画スターだと言われても全く違和感のない金髪のイケメンでした。ロバート・レッドフォードの超~若い頃の雰囲気でした。当然、周囲の日本人の女性社員たちにちやほやされ、モテモテでした。
ただ、私にとっては、性格は超~~嫌なヤツでした。彼は会社の費用で夜、日本語を勉強していたのですが、仕事では絶対、英語で通していました。
当時、私は英検1級など受験したことさえありませんでした。そんな英語力の私にとって、朝から晩まで英語で仕事をしなければならない状況というのは、まさに地獄でした。異動前のIT部門では、英文のコンピューター・マニュアルを読むことは毎日でしたが、英語で話したり、書いたりすることは皆無だったからです。
異動部署への着任早々のある日、彼に指示されて、辞書を引き引き2時間くらいかけて、ある英文をやっと書き上げました。私が書いたその最初の英文を彼が読んだとき、彼が爆笑したことを今でも鮮明に覚えています。
しかも、私の英文が書かれたその紙をその場で笑いながら紙クズとしてクチャクチャと丸め、彼の足元のゴミ箱にポンッと捨てたのです。私の2時間の作品をです。
しかし、今から思えば、当時の私の英語力では、現場で通用するまともなビジネス英文など書けるはずがないのです。彼が爆笑したのも当然です。
ただ、私の名誉のために補足させてもらえば、もちろん、彼の下で一年働いた後には、彼に笑われない英文を書けるようになっていました。
しかし、仕事中、私が英語に関する質問をすると、ウロ覚えですが、"I'm not your English teacher!"のようなことを言われて拒否されたことも覚えています。
意地悪な彼と働いていた記憶と、ブリジット・ジョーンズの勤務先のシーンとが妙に重なり、その点でも懐かしかったのです。
市ヶ谷勤務の頃の苦い体験も今となっては、単なる若き日の懐かしい思い出です。そこへさらに、英国を舞台にした古い映画を見て、なんかタイムマシンで過去に戻ったようで、ホノボノとした気分でした。
その英国人上司だった彼が今、どこで何をしているのか全く知りません。もし、連絡が取れて会えたなら、お互いにビールでも飲み交わしながら大笑いで話ができるでしょう。
彼が現在、日本語を読めるかどうか分かりません。しかし、仮に読めたとしても、このブログでの「超~~嫌なヤツ」という表現も、きっと大笑いのネタになるでしょう。
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by robocop307 | 2017-03-11 22:15 | テレビ、映画評論